肉離れの原因と治療 詳しく解説!

 

こんにちは、サンテ整骨院グループ折居です。

先日、運動大好き患者のTさんがいつもの様に来院・・・

なぜか両手に松葉杖・・・

 

スカッシュの最中にやってしまったようです(しかし、なぜか嬉しそう)。

 

傷病名は、

『下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れ(筋挫傷)』

 

肉離れとは、簡単に言えば「筋肉の断裂」です。

筋肉が急激に動作を行った時部分的にピリッと(部分断裂)、もしくは、完全にブチィッ!!と(完全断裂)千切れてしまう状態のことを言います。

 

【下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れの原因】

・ 慢性的な筋肉疲労(アフターケア不足)

・ 筋肉が硬くなっている(柔軟性の低下)

・ 筋力の低下

・ 運動フォームが悪い

・ 筋肉のバランスが悪い

・ 準備運動不足

・ 練習環境(ランニングの路面など)

・ 気候環境(気温・湿度など)

 

この中でも今回の原因に挙げられるのは、「準備運動不足」そして「アフターケア不足」です。

 

1. 準備運動不足

肉離れを防ぐ上でとても重要なのは、走り出しはゆっくりと走って、体の「暖機運転」を心がけること。

筋肉が固く、萎縮した状態でランニングを始めてしまうと急激に筋肉を動かすことになるので、肉離れを起こしやすくなるのです。

運動前のストレッチは肉離れ等の故障を防ぐために不可欠……と以前は言われていましたが、最近の研究の結果ではストレッチの有無と故障の予防には大きな関連性はないとされています。まだまだ体にはわかってない事が多いんです。

 

2.アフターケア不足による慢性疲労

ランニング後に熱を持った筋肉をそのままにしておくと、筋肉疲労がどんどんと積み重なってしまい、最終的に肉離れの原因となりかねません。

ランニング後のアフターケアは、何をさておいても冷やすこと。

ひざ、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、足首と上から下に向かって、集中的に冷水をあてましょう。

熱を持った筋肉へのアイシング作用だけでなく、自律神経を整えて冷え症を改善する効果も期待できるそうなので、一石二鳥と言えるのではないでしょうか。

 

【下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れの症状】

 

下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れは、I度~Ⅲ度に分類されます。

 

下腿三頭筋(ふくらはぎ)肉離れ【Ⅰ度損傷(軽症)】

肉離れの症状は非常に軽く、部分的に小規模の断裂が生じているケースです。

・ 筋線維や筋膜に損傷はなく、筋肉間損傷が主な原因

・ 痛み(圧痛)がある

・ 歩くことに問題はないが、ランニングしたときに痛みを感じる

 

下腿三頭筋(ふくらはぎ)肉離れ【II度損傷(中程度)】

I度損傷よりも痛みも強く、明らかに筋肉痛や軽度の肉離れとは違います。

・ 筋線維や筋膜の一部に損傷がある状態

・ 痛み(圧痛)がある

・ 自力での歩行は難しく、ランニングはできない

ランニングを再開できるまで、6週間程かかります。

 

下腿三頭筋(ふくらはぎ)肉離れ【III度損傷/重症】

この段階になるとランニングはおろか、歩くことさえもできなくなります。

かなり重傷の肉離れの状況です。

筋肉や腱が損傷してしまい、剥離骨折を起こす危険性もあります。

・ 筋肉の完全/部分断裂

・ 強い痛み(圧痛)がある

・ 歩行できない

 

【治療の基本・RICE処置】

下腿三頭筋(ふくらはぎ)に関わらず肉離れが起ってしまった場合、RICE処置と呼ばれる応急処置をすることが早期回復に繋がり、症状の悪化を防ぐことができます。

 

RICEとは(ご飯ではありません)

R = REST(安静)

I = ICE (冷却)

C = COMPRESSION(圧迫、固定)

E = ELEVATION(挙上)

これら4つの処置法の頭文字を取ってRICEと呼ばれています。

 

REST(安静)

ランニング中に痛みを感じたら、すぐにランニングをストップしてREST、安静にすることが大切です。痛いのを我慢して筋肉を動かし続けると、筋肉断裂をどんどんと促すことになってしまいます。

また、足に負荷がかからないように、歩く時には今回のように松葉杖を使うべきです。

 

ICE(冷却)

肉離れ部位を安静に保ちつつ、患部をガンガン冷やしましょう。

なぜ冷却が必要なのかと言えば、肉離れを起こしたまま放っておくと、断裂された筋肉部分が炎症をおこしてしまうからです。内出血がひどくなり、痛みも強くなりますし、また回復を遅らせてしまいます。

冷却ジェルシートや、氷水を入れたビニール袋などで患部を冷やします。1日に4~8回、1回20分を目処にしましょう。

 

COMPRESSION(圧迫、固定)

腫れを抑えるためにテーピングをしっかりとしましょう。

断裂部に血の塊が残っていると修復に時間がかかってしまうので、血管を収縮させて血液が流れる量を減らします。こうすることでスムースな修復を促すのです。

きつく巻き過ぎると血液が流れませんので、適度なきつさを心がけましょう。

 

ELEVATION(挙上)

「挙上」……なんのこっちゃ、ですけれども読んで字のごとし、患部を「上」に「挙げる」ことです。

心臓よりも高いところに挙げておくことで、血液を心臓に戻りやすくして腫れを抑える効果があります。

 

【肉離れの治療】

今回はRICE処置のあとに、超音波と電気を混合した、アストロンと呼ばれる機械を使用しました。

このアストロンは、電気の刺激により痛みの閾値を上げ痛みを感じにくくする効果と、痒い所を抓んだりして誤魔化すゲートコントロール理論を利用した効果が得られ、最近折居がもっぱら愛用しています。

 

下腿三頭筋(ふくらはぎ)の肉離れは珍しいことではありません。でも同時に予防も充分にできる怪我でもあります。準備運動と筋肉を柔らかく保つためのアフターケア、このふたつだけでも発症リスクは随分と減らすことができます。

無理して運動をして、筋肉に疲れがたまってある時プチン……というようなことにならないように、毎日の適度なペース配分とケアを心がけましょう。

それでも、もし万が一、肉離れなど痛めてしまって場合は、サンテ整骨院グループにお越し下さい。

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