膝が痛くなるタナ障害(滑膜ヒダ障害)

秋涼爽快の候 皆さまいかがお過ごしでしょうか?

朝晩の冷え込む10月は、体調の不調が出やすく、怪我もしやすい時期ですバイキンくん風邪も然り、スポーツ障害も然りです。

少し前になりますが、陸上部の学生が膝を痛めて来院されました。

事前にを整形外科で『タナ障害』と診断されたそうです。

スポーツ選手などによく見られる「タナ障害」とは、どのような疾患なのでしょうか?主な症状と原因、治療法について今回はお話しします。

↑今回は自分にペイントしてみました。

まず「タナ」とは?なんですが、膝関節内にある関節腔という空間を仕切る「滑膜ヒダ」のことです。

棚のような形に見えることから、「タナ」と呼ばれるようになりました。そのまんまです。

タナは、母体の中にいる胎児の段階で、関節包が作られる際に、一時的にできるもので、生まれた後は退化してなくなる人と、そのまま残存する人がいます。日本人の場合は、約半数の人に残存しているとされます。けっこう多いんです。

 

タナ障害(滑膜ヒダ障害とも)とは、タナが関節内に挟まったり、強く刺激を受けることで炎症を起こす疾患です。スポーツをしている人に多く見られますが、タナが残存している人であれば、特に運動をしていなくても発症することがあります。

年齢もけっこう幅が広く以前は確か、バイクに乗って営業をするサラリーマンの患者さんもいらっしゃいました。

 

タナは、形状や大きさによって以下の4タイプに分かれます。

 

・A型…索状(太く長い状態)にやや盛り上がっている。

・B型…膜状(膜のような状態)で幅が狭い。

・C型…幅が広く厚みもある(膝関節内の大腿骨内側を覆っている)

・D型…タナの一部に穴が空き、縁の一部が索状に離脱している

 

このうち、炎症を起こしやすいのはC型とD型で、A型、B型での発症はほとんど見られないとされます。レントゲンに写ったりしますので、是非整形外科の先生に診断されたら見てみてください。

 

タナ障害の原因

タナは大腿骨と膝蓋骨の間にあるため、膝を屈伸した際に挟まって大腿骨に擦れてしまうことがあります。特に屈伸運動の多いスポーツなどをしていると、くり返し刺激が加わることでタナが肥厚したり、裂けて炎症を起こしやすくなります。

陸上競技やバレーとかが多いですね。

膝を屈伸するときには太ももの大腿四頭筋が主に使われるため、ストレッチ不足などによりここが硬く緊張していると、膝蓋骨を引っ張る力が強まることからタナ障害が起こりやすいとされます。

 

タナ障害の症状

主な症状としては

・屈伸運動や起立時、階段昇降時に膝が引っかかるような感じがする

・膝を動かすと「コリッ」「パキッ」「ボキッ」などの音がすることがある

・膝まわりが重苦しい感じがする

・膝の内側を押すと痛みがある

・膝を動かすと痛みが生じ、放置すると安静時もジンジンとした痛みが長時間続くようになる

症状が変形性膝関節症と類似しているために、レントゲンを撮るまで解らないこともありますので、先ずは整形外科での受診をお勧めします。

タナ障害の治療法

あなたのお悩みを解決します!​

タナ障害は初期の段階できちんと治療すれば、ほとんどの場合に症状が治まり、再びスポーツができるようになります。

治療は保存療法が基本となります。

・炎症と痛みが収まるまで、運動を休止する

・抗炎症鎮痛剤(内服薬)や湿布などの外用薬で、痛みと炎症を抑える

・超音波や温熱・冷却療法などの物理療法で、膝周辺にある筋肉の緊張を和らげる

・大腿四頭筋の柔軟性を高めるストレッチや、筋肉強化をはかる筋トレを行う

 

これで治ったら良いんですが・・・保存療法で改善が見らない場合や、ほかの組織にも影響を及ぼしている場合は!?

膝に小さな穴を開けて関節鏡を挿入し、患部をモニターに映して手術を行う「関節鏡視下の滑膜ヒダ切除術」などがあります・・・。

正直出来るだけ手術は避けたい症状です。

放置するとタナが刺激を受け続けて硬く肥大化し、滑膜や軟骨などほかの組織を傷付ける原因にもなりかねません!

このような状態を避けるためにも、初期のうちにしっかり治しておきましょうね。

膝の痛みを感じたら、早めにサンテ整骨院グループにご相談を!

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