肩に刺さるような激痛！石灰沈着性腱板炎

今回は、肩の痛みである石灰沈着性腱板炎についてです。

４０歳から５０歳代の女性に多くみられ、肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じる事により起こる肩の疼痛・運動制限です。

夜間に突然生じる肩関節の激痛で始まることが多く、痛みで夜眠れない、起きてからは肩関節を動かすことが出来ない。又は、突然肩に刺さるような痛みが出るなどの症状があります。

症状の出方や期間によって大きく３つに分けられます。

急性型（１～４週間）強い症状を呈する

亜急性型（１～６ヶ月）中等度の症状が続く

慢性型（６ヶ月以上）　運動時痛などが続く

四十肩・五十肩（肩関節周囲炎）の症状とよく似ており、X線撮影や超音波検査などで腱板部分に石灰沈着を確認する事で判断できます。

急性型では、激痛を早く取る為に、腱板に針を刺して沈着した石灰を破り、ミルク状の石灰を吸引する方法がよく行われます。

三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤の滑液包内注射などが有効です。

ほとんどの場合、保存療法で軽快しますが、亜急性型、慢性型では、石灰沈着が石膏状に固くなり、時々強い痛みが再発したり、硬く膨らんだ石灰が肩の運動時に周囲と接触し、炎症が消失せず痛みが続くことがあります。

痛みが強く、肩の運動に支障がありますと、手術で摘出することもあります。

疼痛がとれたら、温熱療法（ホットパック、入浴など）や運動療法（拘縮予防や筋肉の強化）などのリハビリを行います。

　①急に起こる

　②激痛による睡眠障害

　③肩が痛くて動かせない

　④肩が赤く腫れる

などの症状が出たら石灰沈着性腱板炎を疑って治療を行って下さい。